何が起きたか
ルーマニア出身のプロ選手Ronaldo(Bulldog Esports所属ミッドレーナー)は、2026年7月29日、EUW(欧州西部)ソロキューランクで4,697LPを記録しRank1(1位)に到達したことをXで発表した。しかし直後から、対戦相手の配信を並行して視聴し、対戦相手の使用チャンピオンや位置情報を把握したうえで対戦していた「ストリームスナイピング(視聴による情報の不正利用)」疑惑がコミュニティから相次いで指摘された(NERFPLZ.LOL)。

複数のプレイヤーから証拠とともに通報を受けたRiot Gamesのプレイヤー行動対応担当、通称「Community Sheriff」のDrew Levin氏は7月31日、自身のX上で調査を開始したことを公表。調査の結果、「Rank1到達までの過程でストリームスナイピング禁止方針に繰り返し違反したことを確認した」として、同日中にRonaldo選手への処分を発表した(Drew Levin氏のX投稿)。
処分内容は、(1)アカウントの2週間停止、(2)Rank1到達までに獲得した4,697LPの全額剥奪(Master帯0LPまで引き戻し)、(3)該当シーズンのランク報酬の受け取り資格喪失、の3点とされる(sheepesports、mein-mmo)。
経緯
Ronaldo選手については、以前から一部プレイヤーの間で「対戦相手の配信を見ながら、過去に対戦した相手の得意チャンピオンをピック画面で狙い撃ちしている」との疑いが指摘されていたという。今回Rank1到達の発表が大きな注目を集めたことで、過去の対戦相手を含む複数のプレイヤーが具体的な証拠を添えて通報し、問題が一気に表面化した。通報からRiotの調査開始・処分発表・LP剥奪までがわずか数日というスピード感も話題になった(geo.tv)。
論点
- 「視聴」と「不正利用」の境界: 対戦相手の配信を見ること自体は禁止されていないが、そこから得た情報を意図的にピックやプレイに反映させた場合に「ストリームスナイピング」と判定される。Riotは今回「反復性」を処分の根拠に挙げているが、単発の視聴と常習的な情報利用がどのような基準で区別されたのかは、公表資料だけでは詳細が分からない。
- プロ選手個人のソロキュー行為への処分範囲: 大会本戦ではなく個人のランク帯での行為に対し、所属チームを介さず個人アカウントへ処分が下された点。プロ選手のソロキューでの配信視聴・非配信プレイに対するRiotの監視・処分基準が、一般プレイヤーとどこまで共通しているかは今後の事例蓄積が待たれる。
- 通報から処分までのスピード: 通報から処分発表までが数日というスピード感は、配信アーカイブなど証拠が明確だったためとみられるが、同様の申し立てが今後どこまで迅速・一貫して処理されるかは不透明。
- 獲得実績の遡及的な取り消し: 一度公式記録上に反映されたRank1という実績・LPを遡って全額剥奪する対応は、記録の公正性を重視する一方、「達成後に発覚した不正」に対する事後的な取り消しの範囲・基準についての議論にもつながる。
注記
本件は英語圏の複数メディア(NERFPLZ.LOL、sheepesports、mein-mmo、geo.tv)がほぼ同内容で報じており、Riot Games担当者(Drew Levin氏、通称"Community Sheriff")本人によるX上での公式コメントも確認できる。ただし日本語の主要ゲームメディアでの報道は本稿執筆時点で確認できておらず、また処分発表の一次情報はRiot公式サイトの声明ではなくRiot社員個人のX投稿である点には留意されたい。Ronaldo選手本人からの反論・釈明の有無についても本稿執筆時点では確認できていない。