何が起きたか
Riot Gamesは、味方に意図的な"投げ"(インティング・妨害行為)が検知された場合、その試合を投票で早期終了できる新機能を導入した。Dexertoによれば、システムが「意図的なアイテム売却」「敵陣への無意味な突撃の繰り返し」などの深刻な妨害行為を検知すると、被害側チーム(妨害者本人とその"デュオ"などパーティメンバーを除く)に試合終了の投票権が与えられる。可決された場合、味方はLPを一切失わず、敵チームは通常勝利と同等のLPを獲得する一方で、妨害者本人と同キューだった仲間は追加のペナルティとともにLPを失うとされる。この機能はPatch 26.10のパッチノート(2026年5月13日実装)で正式に導入された。
経緯
背景には、2025年4月のRiot公式デベロッパーブログで発表された検知システムの強化がある。Riotは「意図的な無駄死にの繰り返し」「味方を巻き込むアビリティの乱用」「AFKを装った"ソフトインティング"」なども検知対象に加えたと説明しており、これにより1日あたりのBAN数が従来の10倍に増加し、検知精度は99.95%に達したと主張している(esports.gg)。あわせて導入された「LP返還システム」では、これまでに30,000人以上のプレイヤーに合計70万LP以上が返還され、約24,000アカウントがチート関連でBANされたと報じられている(esports.gg)。今回の早期終了投票機能は、この一連の"投げ対策"強化の延長線上にある追加施策となる。
論点
- 自動検知システムの判定のみを根拠に、味方の意思だけで試合を「敗北扱いにしない形」で打ち切れる権限を与えることの妥当性――序盤の劣勢に見えても逆転可能な試合まで早期に打ち切られてしまうリスクをどう見るか。
- 検知精度99.95%を額面通り受け取っても、対戦母数の大きさを考えれば一定数の誤検知は避けられない。誤って"投げ"と判定された側が投票権も持たないまま処罰対象になり得る設計は妥当か(サイト内の各種誤BAN事例とも通じる論点)。
- 妨害者本人だけでなく、意図的な妨害行為に直接関与していない同キューの仲間("デュオ"等)までLPペナルティの対象に含める設計は、個人の行為に対する処罰としてどこまで妥当か。
- 敵チーム側が実質的に"通常勝利扱い"のLPを得ることは、被害チームの救済としては妥当でも、対戦相手にとっては別の形の不公平(実際には決着していない試合による既得LP)を生まないか。
注記
本稿は主にDexerto、esports.gg、およびRiot公式デベロッパーブログ・公式パッチノートを出典としている。機能の具体的な発動閾値や、ペナルティ対象となる「同キューの仲間」の範囲などは公式発表で完全には明示されておらず、実運用における誤発動の頻度や苦情件数を検証した独立報道は本稿執筆時点で確認できていない。